クリプトコリネ アルバはスリランカ南部に分布 仏縁苞の色が白だったことからアルバとされた。
Cryptocoryne alba クリプトコリネ アルバクリプトコリネ アルバは、1975 年にオランダの植物学者 de Wit(デ・ウィット)がオランダの水草誌『Het Aquarium』の誌上で記載した種です。種小名の alba はラテン語で「白い」という意味で、当店のページに書いているとおり、仏炎苞(ぶつえんほう=花を包む苞)の色が白かったことが名前の由来になっています。記載からちょうど半世紀、名前は一度も変わっていません。
ただし「白」は、この種の一面にすぎませんでした。その後の観察で、仏炎苞の開いた部分(舷部=げんぶ)の色は純白だけでなく、淡い黄色、ピンク、さらに濃い赤まで幅広く変化することが分かっています。葉も一様な緑から茶色のまだら模様まで変わります。1984 年には Bastmeijer(バスメイヤー)ら 3 名が、この変異の幅について報告しました。名前と実物が一対一で対応するとは限らないのは、クリプトコリネではよくあることです。
分布はスリランカ南西部のごく狭い範囲に限られ、確実な自生地は 1 か所しか知られていません。当店のページには 2001 年 12 月入荷のカルクダー産という記録が残っており、この時期に日本へ入った株の系統をたどる手がかりになります。学名としてはきわめて安定していますが、自生地そのものが少ないという点で、記録を残す価値の高い種といえます。
いまの正式な学名: Cryptocoryne alba de Wit (1975) — キュー王立植物園の WCVP で ACCEPTED(正式名)。異名は登録されていません
| 年 | できごと | 文献 |
|---|---|---|
| 1975 | de Wit が Cryptocoryne alba を独立種として記載(仏炎苞が白いことに由来する種小名) | Het Aquarium 45(12): 326(IPNI 表記は Aquarium (Netherlands) 45: 326) |
| 1984 | Bastmeijer・Christensen・Jacobsen が C. alba の変異の幅について報告 | Aqua Planta 1984(巻・号は特定できず) |
| 記載後〜現在 | 仏炎苞の色が白のみでなく黄・ピンク・濃赤まで変化することが確認される(各報告の初出年は特定できず) | 不明 |
| 2026 現在 | WCVP / POWO で Cryptocoryne alba de Wit が ACCEPTED。異名の登録はゼロ。分布はスリランカ(南西部) | WCVP (Kew)/2026-08-04 参照 |
2026 年現在、Cryptocoryne alba de Wit は独立した正式な種として認められており、異名(別名)は 1 つも登録されていません。1975 年の記載以来、名前が動いていない安定した種です。分布はスリランカ南西部に限られます。
※ 出典: IPNI(国際植物名索引)/ WCVP・POWO(キュー王立植物園、2026-08-04 参照)/ The Crypts pages(J.D. バスメイヤー氏 運営)/ H.C.D. de Wit, Het Aquarium 45(12) (1975)。